沖縄の首里城と言えば、まだ記憶に新しい2019年10月の火災によりメインの正殿や周辺施設が焼失してしまいました。
現在再建に向けて全力で取り組んでいる途中ではありますが、残念ながらまだかつての美しい正殿を拝めることはできません。

じゃあ首里城に行っても見るものないじゃん!

そんなことないよ!無料でも楽しめるところがたくさんあるよ~
前回は有料区域についての記事を書きましたが、今回は首里城公園の無料区域のおすすめスポットを紹介します。
無料区域のおすすめスポットはたくさんあるので、今回は守礼門から正殿に行くまでの間にある場所についてです。
〇首里城公園の無料区域で楽しめる場所
〇正殿までの道での見どころ
〇各施設の詳細


目次
首里城 無料エリア 正殿までの道での見どころ
首里城公園の無料で見れるエリアはとても広いので、ぜひ時間に余裕を持って見ていただきたいです。
無料区域は大きく分けると「首里城正殿までの道」と「それ以外の周辺施設」の2つに分けられますが、紹介しきれないくらいたくさんあるので、今回は首里城正殿までの道中にある施設に絞って解説します。
【正殿までの道の見どころ】
1.守礼門
2.園比屋武御嶽石門
3.歓会門
4.龍樋
5.冊封七碑
6.瑞泉門
7.漏刻門
8.日影台
9.万国津梁の鐘
10.広福門
11.首里森御嶽
12.大龍柱補修展示室
13.系図座・用物座

こんなにあるの!?Σ(゚Д゚)

これでも一部だよ~(^^;
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首里城 無料エリア 正殿までの道 おすすめスポット13選
それでは、守礼門から首里城正殿まで登って行く間にある見どころについてひとつひとつ紹介していきます。
1.守礼門(しゅれいもん)

首里城公園入口で最初に目に入るのが守礼門ですね。
2000円札にもデザインされている守礼門は、人気の撮影スポットで、いつも多くの観光客で賑わっています。
守礼門に掲げてある扁額の「守禮之邦(しゅれいのくに)」とは「礼節を守る」という意味で、「琉球は礼節を重んずる国である」という思いが込められています。
かつて庶民からは親しみを込めて「上の綾門(いいのあやじょう)」と呼ばれ、「上の方にある美しい門」という意味になります。

写真撮影は朝早いと逆光になるよ
2.園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)

園比屋武御嶽石門の読み方難しいですよね(^^;「そのひゃんうたきいしもん」です。
これ、世界遺産ですよ!
沖縄県内には9個の世界遺産がありますが、こちらがそのひとつです。

世界遺産9個言える?
この地味な(失礼!)石門が世界遺産??と思うかも知れませんね。
守礼門と比べても知名度が低いですが、ちゃんと世界遺産に登録されています。
この石門は、かつて国王が各地に出かける際に、旅の安全祈願をした拝所になります。
パワースポット的な場所になるのですが、正確にはこの石門ではなく、背後の森(現在は木が少し残されてるだけです)が神聖な場所とされていました。
自然崇拝の文化のある沖縄では、一見何気ない森や木など自然な場所に神が宿るという考えがあります。
3.歓会門(かんかいもん)

歓会門は、首里城の城郭内へ入る最初の門で、アーチ状の石門の上に木造の櫓が乗っている中国風な形をしています。
「歓会」とは歓迎するという意味です。王国時代に中国から来た冊封使(さっぽうし)(中国皇帝の使者)たちを歓迎しているという意味が込められています。
また、別名「あまへ御門(うじょう)」とも言い、「あまへ」とは沖縄の古い言葉で「喜ばしいこと」の意味になります。
歓会門は沖縄戦で焼失しましたが、1974年に復元されました。
門の左右には魔除けのシーサーがいます。
4.龍樋(りゅうひ)

龍樋は首里城の湧水が湧きだしているところで、龍の口から流れて出ているためこのような名前になりました。
歓会門を抜けて首里城へ上って行く階段の途中にあり、右側の少し奥まったところにあるため、気づかずにスルーしてしまう人が多いです。
龍樋の湧水は首里城内の飲料水として国王なども使用していました。
また、冊封使たちが琉球に滞在中には、龍樋の水を飲料水として滞在先の天使館(てんしかん)まで毎日運んだと言われています。
天使館は、現在の那覇市の東町郵便局のあたりにあったので、毎日そこまで運ぶことを考えると大変さが伺えますね。
石の龍の頭は500年ほど前に中国で作られたもので、首里城公園の中でも現存している大変珍しいものになります。

他はほとんど復元されたものだよ
5.冊封七碑(さっぽうしちひ)

冊封七碑は、先ほどの龍樋の近くに設置されている7個の石碑です。
琉球王国時代、中国皇帝の使者として琉球を訪れた歴代の冊封使たちが、龍樋の水の清らかさを褒め讃え漢詩に残しました。
その言葉を石碑に刻んだものになります。
当時、龍樋の水がいかに貴重なものだったかわかりますね。

ここもスルーされやすいから気にして見てみて
6.瑞泉門(ずいせんもん)

瑞泉門は、首里城第二の門です。
歓会門は、首里城外郭の門でしたが、瑞泉門は内郭の門になります。
「瑞泉」とは「立派なめでたい泉」と言う意味があり、別名「樋川御門(ふぃじゃーうじょう)」と言います。
「樋川」は沖縄では、川や泉などの水をひいていることを指しています。
龍樋にちなんでつけられた名前になります。

瑞泉酒造も龍樋にちなんでつけられた社名だよね
7.漏刻門(ろうこくもん)

漏刻門は、櫓の中に水槽を設置し、水が垂れる量で時間を計っていたと言われています。
「漏刻」は中国語で「水時計」の意味になります。
時間を計測する役人が太鼓を叩いて知らせると、西のアザナや東のアザナなどで鐘を鳴らして城内外に時刻を知らせたそうです。

時間の測定はあまり正確ではなかったようだよ
漏刻門は、別名「かご居せ御門」とも呼ばれ、身分の高い人が駕籠に乗って首里城を訪れた際に、国王に敬意を払いここで駕籠を降りたことからそのように呼ばれました。
8.日影台(にちえいだい)

漏刻門を抜けると、広いスペースに出るのですが、日影台は広場の漏刻門正面に置かれています。
日影台は日時計で、水時計の補助的な役割をしていました。
1739年に設置されてから1879年(明治12年)の廃藩置県まで使われていました。
実はこの日影台、年に4回角度が変わっているんですよ!
かつては時刻を正確に計るため、二十四節気に合わせ年24回角度を変えていたそうですが、現在は春分・秋分・夏至・冬至の年4回変えているそうです。
9.万国津梁の鐘(ばんこくしんりょうのかね)

万国津梁の鐘も気づかず通り過ぎてしまう場所ですが、日影台から少し奥に小屋のようなものがありその中にあります。
いわゆるよく見るお寺の鐘ですが、万国津梁の鐘はかつては、首里城正殿に掛けられていたそうです。
しかし、正殿のどこに掛けていたかが分かる文献がないため、現在この場所に設置してあります。
先祖崇拝や自然崇拝の沖縄で、お寺の鐘って意外かもしれませんが、当時の琉球にも仏教が広まっていたことの表れでもあります。
また、鐘の表面には漢文が書かれているのですが、この漢文、沖縄県民なら一度は目にしているはずですよ。
沖縄県知事の会見などで、後ろに漢文の書かれた屏風があるのを見たことありませんか?あの漢文はこの万国津梁の鐘の漢文なんです。

漢文の意味は「琉球国は南海の素晴らしい場所にあり、中国・朝鮮・日本の間にあり、船にて万国の架け橋となり貿易によって栄える国である」となります。
10.広福門(こうふくもん)

広福門は城郭内に入る4番目の門です。
「広福」とは「福を広く行き渡らせる」と言う意味があります。
建物自体が門にもなっていて、琉球ならではの建築様式となっています。
王国時代の建物には2つの役所が入っていましたが、現在は有料区域への入場チケットの販売所になっています。

トイレもこの建物に入ってるよ
広福門をくぐると、下之御庭(しちゃぬうなー)という広場に出ます。
下之御庭とは「下の庭」の意味で、首里城正殿のある「御庭(うなー)」へ入る前の広場ということです。
11.首里森御嶽(すいむいうたき)

首里森御嶽は、首里城公園内にいくつかある御嶽の中で最も格式の高い拝所と言われています。
「琉球開闢(かいびゃく)神話」の神アマミキヨが作った七つの御嶽のひとつと言われています。

アマミキヨは琉球を作った神様だよ
12.大龍柱補修展示室(だいりゅうちゅうほしゅうてんじしつ)

首里城火災の際、奇跡的にも崩れずに残っていた二対の龍柱は「奇跡の龍柱」として注目されましたね。
首里城正殿の正面にあった大龍柱は、尾を体に巻き付けて直立する琉球独自の形をしています。
火災にも負けずに奇跡的に立ってはいましたが、かなりの損傷を受けていたため、補修作業が行われました。
現在補修された大龍柱は、下之御庭の展示室で公開されています。
13.系図座・用物座(けいずざ・ようもつざ)

系図座と用物座は下之御庭の西側にある建物です。
ともに役所であり、系図座は士族の家系図を管理する場所、用物座は城内で使用する物や資材の管理をしていました。
現在は休憩所になっており、中には琉球菓子が楽しめる「首里城茶屋」(有料)が併設されています。
ワンコイン(500円)で、ちんすこうやくんぺんなどの伝統的な琉球菓子とさんぴん茶のセットが味わえますよ。


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首里城公園詳細情報
・住所:沖縄県那覇市首里金城町1丁目2
・電話:098-886-2020
・営業時間:下記のとおり
・定休日:7月の第1水曜日とその翌日(令和5年度は通常営業)
・駐車場:あり(3時間以内 小型車400円)
・公式HP:首里城公園公式HP

まとめ
現在再建中の首里城ですが、正殿がなくてもこんなに見るところがたくさんあるんですよ。

しかも無料なのがスゴイ!
門が多いので、なんとなく通り過ぎてしまうことが多いですが、冊封使やペリーも通った首里城までの道のりを、ひとつひとつしっかり見ていくと感慨深い思いになりますよ。
そして、今回紹介したのは無料エリアの一部です。首里城公園はまだまだ見るものがたくさんあります。
その紹介はまた次の機会に(^^♪
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